代表取締役・角野嘉一
10数年前、私が初めて製造業の世界に足を踏み入れた時、町工場と呼ばれる小規模な事業者の実態を知って、大きな驚きがあったことを今でも覚えています。
「特定少数の大手企業に依存し業務を行っていること」「0.01mmの精度を要求される業界にもかかわらず、FAX文化が根強いこと」「メールでのやり取りができないこと(そもそもインターネット回線がない)「ホームページを持っていない。営業活動やサービスという概念がほとんどないこと。」など、様々なポイントが思い浮かびます。そのどれもが当たり前であることに驚きました。
その反面、次のように感じました。
「やれることがいっぱいありそう」
「町工場でもチャンスはいっぱいあるのではないか」
インターネットがだんだんと当たり前のように普及し始め、それまでは紹介で外注先を探していた、発注する側の企業も、必ずインターネットで外注先を探す時代が来る。町工場でもホームページを持てば、営業マンのように動き回れない私たちでも、営業ツールとして十分に活用できるのではないかと考えました。
私が初めて入った会社でもそうでしたが、町工場の営業マンはほとんどがその会社の社長です。同時に町工場の社長はほとんどが腕利きの職人です。
仕事も取らないといけない。職人もしないといけない。そんな状況におかれている人がとても多いのです。そして、町工場の社長はやっぱり職人気質。営業として仕事を取る事よりも、機械に向き合い加工をしている方が性に合っているという人が多いと感じました。
そんな町工場にとって、インターネットを上手く活用できれば会社にいながら仕事が取れるはず。そんな仕組みを作りたいと考えるようになりました。
その仕組みを作るために、まずは自分たちで試していこう。そしてその試した結果を提供しよう。そうすることで製造業の中から、製造業に役に立つ情報やサービスを提供できると考えるようになりました。
製造業を変えたいと思うようになったその理由。町工場の環境を体感し、まだまだやれることはたくさんある。私たち自身がモデルとなって様々なアイデアを出すこと、そのアイデアにチャレンジすること。それが私たちの原動力です。
受注活動に悩む町工場を変えたい。会社で加工をしながら次の受注が取れるように変えたい。こんなやり方で経費の削減ができる。製造業は楽しい業種なんだと思ってもらえるようになりたい。
そのためには、まず私たち自身が製造業であること。それが様々なサービスを展開する上で欠かすことのできない要素です。自身がそうであるからこそ、製造業の皆さんに必要なことがわかる、提供できると信じています。
私たちができることを創造し実践することで、製造業が変わるヒントになることを願っています。そして、製造業ってかっこいいんだ、楽しいんだという事が世の中に伝わり、一人でも多くの人が製造業に興味を持ってもらえると、こんなにうれしいことはありません。


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